アニメ『終末トレインどこへいく?』の第9話「思ってたよりつまんないみたいな」が放送されました。
この記事では、第9話の内容と見どころを紹介します。
後半では個人的な感想についても述べているので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
この回では、世界を変える力を持ちながらも記憶を失った葉香が、池袋の魔女王として君臨する姿が描かれました。
一方で、彼女の元の仲間である静留たちは、仙人の案内で膨張し続ける池袋へと向かっていました。
葉香の力で変容した世界の命運を左右する、両者の衝突が間近に迫る展開となりましたが、果たして和解は成り立つのでしょうか。
今回は本作の見どころをしっかりと紐解きながら、感想を書いていきたいと思います。
第9話:あらすじ
7G事件によって世界を変える力を手にした中富葉香は、池袋の姫として扱われ、その世界を自在に操る存在となっていました。
ビルや空を思い通りに変化させる一方で、この世界を否定する者までをも姿を変えてしまうほどの力を持っていました。
しかし、事件の経緯を知らない葉香は、記憶を完全に失った状態となっており、不審な男・ポイズン・ポンタローに翻弄されていました。
一方、その頃に大泉学園駅を出発していた静留たちは、以前に出会った仙人のスワンボートを見つけます。
久しぶりの再会を果たした仙人は、現在の池袋の異変について語り始めます。
仙人曰く、池袋は歪に膨張しつつあり、そのままでは遠からずこの世界自体が消滅してしまうのだとのことでした。
葉香の力と現状
中富葉香は、7G事件のトリガーとなったスイッチを押してしまったことで、この世界に介入し変化を加える力、つまり世界を創造する力を持つようになっていました。
しかし、記憶を完全に失っている彼女は、その力の存在すら自覚できていない有様です。
そんな彼女を、奇怪な性格の市長ポイズン・ポンタローが「池袋の姫」と祀り上げ、都合よく利用していました。
葉香は従者のポチに連れられ、池袋の姫として奇妙な日常を過ごしていました。
時折ポンタローが遊びに来ては、葉香を「魔女」と呼びはしますが、彼女は無力な姿で従順に振る舞うばかりです。
このように、膨大な力を持ちながらも、記憶の欠如によって操られている哀れな存在となっていたのです。
静留たちの再会と危機意識
一方、大泉学園駅を出発した静留、撫子、玲実、晶らは、道中で以前に出会った仙人と再会を果たします。
仙人は彼女たちに、現在の池袋の異変について警告します。
池袋は次第に歪に膨張し、そのままでは遠からずこの世界が消滅してしまうというのです。
葉香が7G事件のトリガーを引いたことで、今の事態が引き起こされたことは火を見るより明らかです。
しかし、仙人の言う通り、葉香の記憶を取り戻すことができれば、元の世界に戻せる可能性もあります。
静留たちは、葉香の居る池袋に急ぐ理由がそこにあったのです。
善悪の対立と闘い
物語は、葉香の力を利用しようとする陣営と、彼女を救おうとする陣営の対立を鮮明に浮かび上がらせてきました。
まず、ポンタローが葉香の力を私物化し、彼女を道具として使おうとしている姿勢が描かれています。
一方の静留たちは、かつての友人である葉香の本心を呼び覚まし、助けたいと願っています。
善悪の二元論からは逃れられない構図が構築されつつあります。
葉香の心を引き寄せられるかどうか。
それとも、倫理観を完全に失った”魔女”との戦いを避けられないのか。
静留たちの前に、厳しい選択が待っているかもしれません。
ポンタローの企みを打ち砕き、記憶を取り戻した葉香と旧交を温められるか。
それとも、やむを得ず對決に踏み切らざるを得ないのか。
この対立が物語の残された鍵となりそうです。
カオスと倫理の狭間
この作品は、中富葉香の内面と、彼女の力で作り出された世界のカオス状況が見事に交錯しています。
無秩序に振る舞う街の様子。
そして、それに比例するかのように、葉香自身の倫理観と精神が揺らいでいく様子が丁寧に描かれています。
一見、狂気とも受け取れるほどの世界観ですが、その中に普遍的な命題が隠されているのかもしれません。
つまり、「自身の意思で世界は切り拓かれるべきなのか」「変化を受け入れるのか、それとも不滅を望むのか」といった、人生の本質的な部分に関わる問いが立てられているようにも思えるのです。
倦怠と忘却に囚われた葉香は、偉大な力を手にしながらも、その力で世界を滅ぼしつつあります。
一方で大切な人々は、彼女の心を取り戻そうと奔走しています。
このように作品は、人々の営みと人生観が対立する構図を描いており、その狭間から見える真理とは何なのか。
観る者に是非考えてほしい作品だと言えるでしょう。
第9話:まとめと個人的感想
第9話を視聴し、本作の核心に迫る重要な内容が明らかになりました。
長らく謎に包まれていた葉香の現状が判明し、彼女が7G事件の黒幕であり、世界の異変の元凶であることが露わになったのです。
同時に、葉香を取り巻く人々の思惑や立場の違いも見え隠れするようになりました。
ポイズン・ポンタローは、葉香の力を私物化し、彼女を道具として利用しようとする企みを抱いています。
一方の静留たちは、かつての友人である葉香の本心を呼び覚まし、助けたいと切に願っているのです。
つまり、善悪の二元論から逃れられない構図が構築されつつあります。
静留たちが葉香の心を引き寄せられるか。
それとも、倫理観を完全に失った”魔女”との対決を余儀なくされるのか。
この2つの選択肢に、物語の行方がかかっていると言っても過言ではありません。
ポンタローの陰謀を打ち砕き、記憶を取り戻した葉香と旧交を温められるかもしれません。
しかし、そうできなければ、やむを得ず對決に踏み切らざるを得ないでしょう。
この善悪の対立が、残された物語の鍵を握っているのは間違いありません。
加えて、第9話では世界が膨張し続けていて、遠からず消滅の危機にさらされていることも明らかになりました。
世界を救うためには、何としても葉香の心を取り戻さねばならない理由があるのです。
しかし、そのためには葉香の力を利用しようとするポンタローの妨害を排除する必要があります。
このように、葉香の内面と、彼女の力で作り出された世界のカオス状況が、見事に交錯していることが分かります。
一見狂気とも思えるこの世界観の中に、「自身の意思で世界を切り拓くべきなのか」「変化を受け入れるべきか、それとも不滅を望むべきなのか」といった、普遍的な命題が隠されているのかもしれません。
物語は佳境に入り、静留たちの前に試練が待っていることでしょう。
善なる理想を貫くことができるのか。それとも、悪しき現実に塗り替えられてしまうのか。
第9話を踏まえると、残された展開に高い期待が持てます。
謎の多かった本作の核心に、ついに一歩近づくことができたと言えるでしょう。
以上、『終末トレインどこへいく?』第9話「思ってたよりつまんないみたいな」の感想でした。
次回の第10話も楽しみにしています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは次回の記事でお会いしましょう。
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