アニメ『響け!ユーフォニアム3』の第5話「ふたりでトワイライト」が放送されました。
この記事では、第5話の内容と見どころを紹介します。
後半では個人的な感想についても述べているので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
青春の1ページを飾る高校3年生の春。
北宇治高校吹奏楽部の部員たちは、全国大会で輝かしい成績を残すため、日々の練習に汗を流しています。
目標は「全国大会金賞」の獲得です。
そんな中、大会への出場メンバーを決める重要なオーディションの形式を変更することになりました。
これまでの成績や実力だけでなく、オーディションでの演奏力が全てを左右します。
初めてのコンクール、そして高校生活最後のコンクールを控えた部員たち。
入学して以来の夢に向かって全力を尽くそうと、それぞれが強い想いを胸に、このチャンスをものにしようと燃えています。
しかし、部員の中には少し違う想いを抱いている者がいました。
第5話:あらすじ
夏の訪れを告げるサンフェスのステージを無事に乗り越えた吹奏楽部は、いよいよ8月の全国大会に向けた本格的な練習に入りました。
部の目標は「全国大会金賞」の獲得。
そのためにも、久美子たち先輩部員は大会ごとにオーディションの形式を変更することを決めました。
オーディションの回数を増やし、選考の機会を設けることで、メンバーの切磋琢磨を促し、より高みを目指そうというわけです。
初めて全国の舞台に立つ後輩部員、そして高校生活最後の大会を迎える3年生。
それぞれ思いは違えど、この貴重なチャンスをしっかりとものにしようと、部員一人ひとりが強い意志と情熱を胸に練習に打ち込んでいます。
しかし、そんな中でも控えめな表情を見せていたのが、3年生の黒江真由でした。
久美子と麗奈、特別な二人
久美子と出会うまでの麗奈は、他人のことなど気にかけるようなタイプではありませんでした。
しかし、ふとしたきっかけから、二人は特別な存在になってしまいます。
初めて本当の意味で、心の中に大切な人ができた麗奈にとって、久美子との別れは耐え難いものだったのでしょう。
親友と離れ離れにならずにいたいという、いじらしい一面が見られた麗奈でした。
真由は二人の関係を憂う

この回では、久美子と真由の心の内面が丁寧に描かれていました。
久美子には気を遣いながらも、仲良くしていってほしいと願う真由。
しかし、あがた祭りに誘った時の久美子の突然の断りは、はっきりとした嘘であると、真由にはわかるはずでした。
さらに、部員を選抜するオーディション方式の変更も気掛かりなのでしょう。
真由は皆と仲良く、素晴らしい思い出を作ってほしいと心から考えています。
いつかは集合写真に、久美子の姿が映る日が来ることを望んでいます。
祭りの夜、大人な葉月
最もグッとくるのは、そんな集合写真のシーンでの加藤葉月の姿でした。
かつて想いを伝えるも、結局は夢を諦めざるを得なかった祭りの夜。
それでも青春の1ページとして、心に残る大切な思い出となった集合写真の撮影シーンでは、かの頃の相手である塚本の隣に佇んでいました。

久美子の姿は見えません。
しかし、一歩引きつつ塚本のことを思いやり、理解する大人な葉月。
後輩たちにはうかがい知れない、そんな一面も見せてくれました。
作画描写技術の素晴らしさ
久美子と麗奈の掛け合いのシーンがこの回のハイライトでした。
ラストの屋外でのシーンの光と影の使い方、二人の表情の作画はまさに文句なしの出来映えです。
二人のシーンでは、一方が話している時に画面前方に互いの姿が映るような主観的な視点を効果的に使い、台詞をより印象深いものにしています。
細かな演出の仕方が上手すぎるほどです。
3匹の金魚のシンボリックな描写など、全編を通して不穏な空気が漂っていて、次に何が起こるのか気になってしまいます。
将来の夢と現実の狭間で
特別な存在になりたい、それは久美子の願いです。
彼女の強い意志は、将来のことを決められないという事実だけでなく、祭りの流れに逆らわず、自分を見失わないことにも表れています。
一方の麗奈は、滝先生という特別な存在がいながらも、久美子との関係性は学校を離れても壊れそうにありません。
真由が介入することができず、二人の関係が悪化してしまったら、と案じています。
大人になるということ
何かを変えるための行動を起こすということは、つまり大人になるということなのかもしれません。
しかし、自分の将来を具体的に思い描くことすら難しく、現在に全力を注がざるを得ない状況にあるのが実情です。
そんな大きな負担が伴うのは当然のことです。
高校生活最後のあがた祭りを目前に控え、久美子が付いた些細な嘘が、今後の部活動にどのような影響を及ぼすのか不安が募ります。
しかし同時に、自分が描いていた特別な夢と部の目標の達成、そして時間の流れの速さにも気付かされます。
進路が決まらずに迷走する久美子。
かつてあがた祭りの時に、親友の麗奈が口にした「特別になりたい」という言葉。
今となっては、二人で力を合わせてともにステップアップし、音楽への情熱を体現しながら演奏を続けています。
そんな中で、大学進学を勧める麗奈の本心には、もやもやとした複雑な想いが渦巻いているようにも見受けられます。
次はいったい誰が、どのようなパートの演奏を任されるチャンスを得られるのでしょうか。
オーディションの行方が今から気になって仕方がありません。
第5話:まとめと個人的感想
サンフェスの演奏会を無事に終えた北宇治高校吹奏楽部。
いよいよ全国大会に向けた本格的な練習がスタートします。
最後の大舞台となる3年生と、初めての全国大会に臨む後輩部員たち。
それぞれの思いは異なれど、全員が強い意気込みを胸に秘め、この大切な機会を確実に掴もうと燃えています。
しかし、一方でオーディション制度の変更など、部内には不穏な空気も漂っていました。
これまでの実力と成績だけでは全てが決まらず、メンバー選考はオーディションの結果次第となるわけです。
同じ実力ならば、誰かが誰かを押し退けざるを得ない厳しい現実。
高校生活最後の瞬間を前に、そうした過酷な試練が部員たちを待ち受けているのです。
さらに、進路や友人関係など、3年生特有の悩みが絡み合う中で、久美子と麗奈の特別な関係性にも変化の兆しが見え隠れしていました。
互いを支え合う親友同士ですが、同時に対立する面も生まれつつあるようです。
真由が諦観したように、二人の間に入り込む余地はないのかもしれません。
重大な岐路に立たされた部員たちの姿から、大人になるということの意味を改めて感じ取ることができます。
特別な存在になりたいという願望と、自分の進路を決められない現実のギャップ。
そして時間の早さに翻弄されながらも、自分の夢と部の目標を両立させようと奮闘する姿は、まさに青春の1ページを飾るにふさわしい光景です。
次はいったい誰が選ばれ、どのようなパートを任されるのか。
オーディションの結果が気になりつつ、部員たち一人ひとりの行方にも目が離せません。
この作品の見所は、音楽に懸ける情熱と同時に、そこに交わされる人間模様にあるのです。
不穏で切ないながらも、ときにロマンチックで温かい演出が胸を打ちます。
響き渡る青春のメロディーに、視聴者の心も踊らされることでしょう。
以上、『響け!ユーフォニアム3』第5話「ふたりでトワイライト」の感想でした。
次回の第6話も楽しみにしています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは次回の記事でお会いしましょう。
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